物語は台所で生まれる

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女性の暮らしと生き様を描く人気作家2人の初対談

 5月に新著『#台所のあるところ』(文藝春秋)を上梓した原田ひ香さんと、『カフェーの帰り道』(東京創元社)で第174回直木賞を受賞した嶋津輝さんが初対談。原田さんが『カフェーの帰り道』の単行本の帯に推薦文を書いたという縁のあるふたりには「台所が好き」という共通点もあった。

 原田 直木賞受賞、おめでとうございます。

 嶋津 ありがとうございます。ようやくお目にかかれました。

 担当編集さんから「帯の推薦文を、原田ひ香さんにお願いしようと思います」とうかがった時は、原田さんの推薦帯が再ブームのきっかけをつくったという『青い壺』(有吉佐和子、文春文庫。2025年上半期ベストセラー文庫1位となり、累計発行部数95万部を突破した)の伝説が頭に浮かび……。お引き受けいただけて、何かを約束されたような気がしました(笑)。

 原田 とんでもないことです。嶋津さんは時代小説のイメージが強かったので、正直「私でいいのかしら」という気持ちもあったんです。でも拝読させていただくと、大正から昭和初期の話で、言葉遣いも現代とあまり変わらない。「こういうふうに時代小説を書いてもいいんだ」と、大変勉強になりました。

原田ひ香さん Ⓒ文藝春秋

 嶋津 ありがとうございます。『カフェーの帰り道』は5人の女性の人生を描いた連作で、誰か1人でも好きになってもらえたらいいなという思いがありつつ、あわよくば全員好きになってもらいたい、という野望もあった。原田さんはそんな私の想いを汲んだかのように、「強くたおやかに生きる女性たちが、みんな、みんな、愛おしい。」と書いてくださり、大変心強く感じました。

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source : 文藝春秋 2026年7月号

genre : ライフ 読書 ライフスタイル