米社会の「ファンタジー」

コロナ下で読んだ「わたしのベスト3」

橘 玲 作家
エンタメ 読書

 トランプ時代のアメリカは、「なぜこんなひどいことになったのか」という疑問や不安にこたえようとする野心的な著作を生みだした。

 ネットワーク論の世界的権威クリスタキスは『ブループリント』で、該博な知識を縦横無尽に駆使して「人間の本性」を検証した。その結論は、目の前の暗鬱な出来事にもかかわらず、ヒトの遺伝子には「よき社会をつくる青写真(ブループリント)」が埋め込まれているとのポジティブなメッセージだった。かつて進化生物学や遺伝学は「ナチスの優生学の再来」として忌み嫌われたが、リベラルの理想主義(きれいごと)が次々と破綻するなかで、いまやそれが唯一残された「希望の科学」になったことがわかる。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から

  • 1カ月プラン

    新規登録は50%オフ

    初月は1,200

    600円 / 月(税込)

    ※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。

  • オススメ

    1年プラン

    新規登録は50%オフ

    900円 / 月

    450円 / 月(税込)

    初回特別価格5,400円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。

    特典付き
  • 雑誌セットプラン

    申込み月の発売号から
    12冊を宅配

    1,000円 / 月(税込)

    12,000円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります
    雑誌配送に関する注意事項

    特典付き 雑誌『文藝春秋』の書影

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2021年1月号

genre : エンタメ 読書