金丸信(1914~1996)は、1987年に盟友・竹下登と共に経世会を設立。「キングメーカー」として時の政権を動かしてきた。だが、92年に発覚した東京佐川急便事件で議員辞職に追い込まれ、逮捕から3年後に逝去。波乱の政治人生を、次男で秘書だった信吾氏が振り返る。
金丸氏
未だに多くの人が信じているんじゃないですか、金丸信は北朝鮮から金塊をもらったって。事実無根です。たしかに自宅に金塊はあったけれど、金丸夫人(悦子氏)が財テクとして田中貴金属から購入したもの。もちろん刻印が入っているし、取引証明書もあった。検察が強制捜査で発見したように報じられているけど、実際は、私が検察に提出したんです。金丸は北の出身だとか、当時は本当にでたらめな報道が多かった。
北朝鮮には、抑留されていた富士山丸の船長と船員を救出するため、1990年9月に訪問。そこで金日成からいきなり「日朝国交正常化を進めたい」と切り出されたんです。オヤジは大の共産主義嫌いでしたが、北東アジアの安定のために必要だと判断し、国交正常化交渉が始まりました。しかし、日本国内では右翼に「国賊」と批判された。
オヤジの最後の夢は政権交代可能な二大政党制の実現でした。社会党の田辺誠さんには「社会党の右派と一緒に割って出てくれ。俺は経世会を全員連れて出る。金は俺が作る」と協力を仰ぎ、新党作りの資金をかき集めていました。
金丸信
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source : 文藝春秋 2022年1月号