“昭和政財界の大物”笹川良一(1899~1995)は、ハンセン病撲滅運動をはじめ、社会貢献活動に人生を捧げたことでも知られる。息子で日本財団会長の笹川陽平氏が、父の生きざまを語る。
笹川氏
父の衝撃的な映像があります。1983年にネパール山麓のコカナ療養所を訪ねた時のこと。最愛の母親や弟を亡くしても泣かなかった男が、重いハンセン病に苦しむ女性の手を握り、人目もはばからず泣きじゃくっている。父は弱者や困っている人に本当に優しい人でした。
生まれは大阪の豊川村(現箕面市)。小学校の同級生には文豪・川端康成もいた。2人の祖父が碁敵でよく一緒に遊んだそうです。川端もハンセン病への理解があり、北条民雄が自身のハンセン病体験を綴った『いのちの初夜』(1936年)の「文學界」掲載に尽力したそうです。
笹川良一
世のため人のために尽くした父でしたから、身内には厳しかった。水道の無駄遣いをするなと、お風呂は必ず2人1組で入る。父は冬場の風呂でもきまって水風呂に入るから、一緒に入る時はつらかった(笑)。
「現場に問題と解決がある」
私の哲学である現場主義は父の生き方そのものでした。
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source : 文藝春秋 2022年1月号