歴史に学べ
5月号を手にした現時点(4月9日)で、ロシアによるウクライナ侵攻はますますエスカレートしている状況である。まさか21世紀にあってこのような惨事が起きるとは、と世界中の人々が驚いているだろう。
特集「ウクライナ戦争と核」の一本、中西輝政氏の『第3次世界大戦の発火点』には感銘を受けた。中西氏が論じるように、現在のウクライナの悲劇は、その地政学的な立位置と歴史によるのだろう。ロシアという大国の隣にある限り、その運命からは決して逃れることはできない。「気の毒」という以外に言葉が見つからないほどである。
岸田政権はウクライナに対して人道支援、ロシアに対しては経済制裁を様々なかたちで実行している。これは日本として当然のことであろう。プーチンがこの愚行を止めるまで根気強く実行していくべきである。
歴史は繰り返すとはよく耳にするが、人類はこれまでの歴史からは何も学習することなく、平然と人殺しを正当化してしまう生き物なのだ。
昔観た映画の中で、「平和とは戦争と戦争の間にわずかに生まれる休憩みたいなものだ」というセリフがあったのを思い出した。今はそのセリフが現実にならないことを願うばかりである。(木村勝久)
ゼレンスキー大統領の無事を
5月号、岡部芳彦氏『ゼレンスキー「道化と愛国」』を拝読した。
地位が人を育てるという言葉があるが、まさにウクライナのゼレンスキー大統領にあてはまるのではないかと、私は考えている。
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source : 文藝春秋 2022年6月号