いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。
キラキラと眩い光を放つ華やかな芸能界。一方でそこは熾烈な競争を勝ち抜いた者がスターとなりうる世界であるが、頂点にいる大物芸能人が最近次々と姿を消している。それも本人がなんら説明することなしに――。
2025年6月20日、TOKIOの国分太一は過去にコンプライアンス上の問題が複数あったとして無期限ですべての活動を休止すると発表した。『ザ!鉄腕!DASH‼』(日本テレビ)『世界くらべてみたら』(TBS)『男子ごはん』(テレビ東京)『TOKIOテラス』(毎日放送)を降板。だが本人の会見は開かれず、所属事務所TOKIO(城島茂社長)が国分の短い謝罪コメントを流しただけだった。しかしこれだけでは肝心の「理由」がまったくわからない。
プライバシー保護を盾に具体的なコンプライアンス違反を明かしていないのだ(株式会社TOKIOも会見はしていない)。長年国民的アイドルとして愛されテレビの顔であるMCを務めていた芸能人が、いきなり「なかったもの」になるというのは不条理を通り越してホラーのような話である。社会的地位のある人間の関与した問題は公共性が高いとされ厳密な透明性と説明責任が求められるが、このようにプロセスが開示されない、あるいは説明なく処分されるというのは先進国においては異常なケースである。世間はもやもやした感情と共に釈然としない不快感を味わったことだろう。
「ジャニー喜多川氏の性加害が問題になりジャニーズ事務所は解体しましたが、それまではテレビを始めとするメディアや広告業界を支配していました。『週刊文春』など一部週刊誌を除きジャニーズタレントを批判するのはタブーとされ、彼らは美辞麗句で飾り立てられ、実質スキャンダルはもみ消しにされた。その環境で育ってきたタレントが常識に欠けているのは当然かもしれませんが、もはや“逃げ得”が許される時代ではありません」(全国紙社会部記者)

「説明責任」を定義すると、組織や個人が自らの権限や活動において行った決定やその結果について関係者にわかりやすく説明する義務のことだ。芸能人にとってはスポンサーだけではなく、事案の重大さによっては世間に説明する必要があるのは言うまでもない。
国分の場合、情報番組『ビビット』(TBS)でメインキャスターを務めニュースを紹介していた。自分の視点を交えて解説していたし、ときに厳しいコメントを発することもあった。その分、他の芸能人よりも強く説明責任を求められるのは、おかしなことではない。ただそこには、テレビ独特の論理が立ちはだかる。
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