ウクライナの復興のために

芳井 敬一 大和ハウス工業会長

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 今年1月下旬、ウクライナ西部の都市、リビウを訪ねました。昨年7月のキーウにつづき、2度目のウクライナ訪問です。

 きっかけはリビウの自治体から、がん患者向けの滞在施設を建ててほしいと要請を受けたことです。ウクライナでは精神的な苦痛が続いているからか、がんの発症率が上がっていて、遠方から通う患者向け滞在施設が足りていないのです。

 無謀な行動は慎むべきですが、私は、経営者として下す判断が甘くならぬよう「自分の目で見たものを信じる」という信条でやってきました。戦地であろうと、現地に足を運び、肌で感じることでしかわからないことがあるからです。

 たとえば、首都キーウと欧州寄りのリビウでは、だいぶ街の空気が違います。キーウは空襲警報が鳴り、ミサイルが飛来してくる紛うことなき戦地。滞在中に警報が鳴った時は、凍り付きました。一方、リビウは最前線から負傷した兵士が運ばれてくる銃後の支援拠点です。街に出れば都市の日常があり、オペラ劇場に行列ができていました。

 今回訪問した「UNBROKEN国立リハビリテーションセンター」は長引く戦火で傷を負った兵士や、民間人のための施設です。ここでは街の様子とかけ離れた惨状を目の当たりにしました。地雷で足を失った人のための義足の工房もあり、義足は兵士のみならず、子供の分も作られていました。地雷は標的の命を奪わず、生かして苦しみを与え続ける、卑劣な武器です。そんな状況下にあっても、人々の心は決して折れていません。なんとしても彼らの力になりたいと思いました。

芳井敬一氏 Ⓒ文藝春秋

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source : 文藝春秋 2026年6月号

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