いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。
私は、自分でも笑ってしまうほどの司馬遼太郎フリークです。小説はもちろん、随筆集から講演集にいたるまで、単行本も文庫本もほぼ全巻を揃えています。何度も読み直したせいで、カバーや表紙が破け、ページが取れ、本という形状を留めなくなって、買いかえた作品も少なくありません。
なぜ私はこんなにも司馬作品が好きなのでしょうか。
きっかけは大学生のときでした。当時19歳だった私は、小さな一戸建てを一緒に借りてルームシェアしていた友人から「『竜馬がゆく』は読んでおいたほうがいい」と勧められたのです。
それから完全に魅了され、ドハマリして『国盗り物語』や『峠』などを手にとりました。正直に言うと、中高生の頃はサマセット・モームなどの海外文学や、アガサ・クリスティのような本格ミステリを読んでいて、日本の小説はほとんど読んだことがありませんでした。
そして、司馬遼太郎という作家が他の歴史小説家とはまったく違うことに気づいたのです。

その最大の特徴は、小説世界のなかで「四次元」を自在に操る才能にあると思っています。現代から小説の舞台となる過去を振り返って、歴史を俯瞰して描く。単に小説を書くだけではなく、ときには書き手自身の視点も織り交ぜながら、話を進めていく。つまり、書き手が小説上での時間軸を自在に操っているのです。
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source : ノンフィクション出版 2026年の論点

