『秀吉』――磯田道史が選んだ珠玉の3篇

『この国のかたち』より

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10年全121回から精選――磯田道史が選んだ珠玉の3篇

 応仁ノ乱(一四六七~七七年)は、多分に生物学的現象に似た革命だった。

 社会の上下がくずれ、やがて下が上にあがり、百十数年の戦乱のあげく、ついには浮浪児のような境涯から身をおこした人物が、関白になり、天下を掌中におさめた。秀吉のことである。

 応仁ノ乱がなければ秀吉の奇跡はありえなかった。この乱の意味の大きさをそのように評価したのは小林秀雄で、その前に内藤湖南がいる。


 この乱の真の原因は、室町初期以来、日本の農業生産があがったことにあるということも、すでにのべた。

 これに伴い、商品経済や流通が活発になった。この現実を信長が追認し、楽市楽座(らくいちらくざ)の制をはじめた。

『この国のかたち』第1巻(文春文庫)

 秀吉はそれをさらに前進させて、市場経済をかれの天下統一の基礎構想の一つとした。自分の城下の大坂に全国的な市(いち、米や材木など)を設け、天下をひとつの市にし、成功させたのはみごとといっていい。

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source : 文藝春秋 2026年3月号

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