10年全121回から精選――磯田道史が選んだ珠玉の3篇
清朝はいうまでもなくツングース系の異民族による征服王朝である。清史の初期から中期にかけての統治能力は輝くようで――新中国でも台湾でもいまなお清朝は正当に評価されていないが――とくに中国の境域をひろげたという点では史上もっとも充実した王朝だった。ただ末期にはぼろきれのようになった。
――まず満洲王朝(清朝)を倒せ。
というのが、清末の、革命家たちの合言葉だった。
清末、この王朝は英国はじめ欧米列強の言いなりになって、多くの土地を割(さ)き、利権をわたし、このため中国は半植民地化した。

異民族王朝だから――どうせ外国人だから――平然とそういうことができるのだ、というのが、革命家たちの共通した見方(あるいは感情)だった。この感情の充電は、明治時代の東京でなされた。明治期、通算一万といわれる留学生が日本にきて、かれらのほとんどが、東京で革命(倒清)の気分を共有したのである。
孫文は留学生ではなかった。日本にきたときはすでに一人前の年齢だったし、医者でもあり、その前に英国で清国公使館に監禁されるなど、革命家として多少の履歴をもっていた。
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