いま知っておくべき論点を、専門家がコンパクトに解説する「文藝春秋オピニオン 2026年の論点100」。この人気ムックの記事を「文藝春秋PLUS」でも紹介します。
これまで日本の芸能界に強大な影響力を持っていたバーニングプロダクション創業者の周防(すほう)郁雄氏(84)が脳梗塞に倒れ、2024年に社長を降りるなど、芸能事務所の世代交代が進んでいる。25年7月には、周防氏と並ぶ重鎮であり、渡辺謙らを育てたケイダッシュ会長の川村龍夫氏が逝去した(享年84)。
相次ぐ“ドン”の退場とともに、ここ数年来、芸能事務所とタレントの関係性が大きく変わってきている。
これまでは事務所がタレントを発掘し、レッスンを受けさせるなど育て、営業活動により仕事を獲得し、仕事の現場に送迎するなど世話をし、タレントには歩合、もしくは月給制で報酬を払うという「専属契約」が大半だった。
しかし、ここ数年そういった契約を嫌い、事務所から独立して「エージェント契約」を選ぶタレントが急増している。
これはタレントの仕事の窓口となり、仕事を取ってくることのみを業務とするエージェントと契約するスタイルである。当然、やってもらう仕事は少ないので、専属契約よりもタレントの取り分は多くなり、仕事の選択もタレントがジャッジできる。アメリカの芸能界ではこのスタイルが主流だ。
日本におけるエージェント契約といえば、2016年にのん(旧:能年玲奈)がレプロエンタテインメントから独立し、福田淳(あつし)氏のスピーディとエージェント契約を結んだことが先駆けとして知られている。福田氏は23年にSTARTO ENTERTAINMENTの社長に就任すると所属タレントに専属契約とエージェント契約の二形態を提示した。のんのときはまだタレントの独立は芸能界においてタブー視されており、彼女はその後、テレビ、映画出演がなくなるなど事実上、干される状態が長く続いた。
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source : ノンフィクション出版 2026年の論点

