北朝鮮軍「徹底抗戦」の全陣容

特集 朝鮮半島「愛憎の火薬庫」

川上 高司 拓殖大学教授・海外事情研究所長
宮本 悟 聖学院大学教授
古川 勝久 国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会専門家パネル元委員
ニュース 政治 国際 韓国・北朝鮮

陸軍100万人、大砲2万門、戦闘機545機……

米朝衝突の可能性は ©時事通信社

 川上 2月9日に平昌冬季五輪が始まりました。1月に行われた韓国と北朝鮮の高位級当局者協議(南北協議)では、女子アイスホッケーで南北合同チーム結成や開会式での合同入場行進などが合意されました。

 古川 3月に行われる予定だった米韓合同軍事演習もパラリンピックが終了する3月中旬以降に延期することになっています。平昌冬季五輪の南北融和の演出でアメリカと北朝鮮の一触即発のムードが和らいだかのように見えます。……表向きは。

 宮本 北朝鮮のミサイルと核に脅かされてきた日本のメディアの中には「この流れが米朝衝突の危機を回避する糸口になるのでは」という希望的観測が見られましたが、決してそんなことはありません。

 韓国は南北協議を通じて国際社会に自分たちが主導して核とミサイルは解決するんだ、とアピールしたかったのでしょう。しかし、北朝鮮には「それは韓国とは関係がない」と反論されてしまいました。

 川上 アメリカは米韓合同軍事演習の延期を認めたものの、現在、朝鮮半島の周囲に空母を寄せるなどむしろ軍事力を増強させている。一方の北朝鮮も2月8日に軍事パレードを行うとしています。今後、米朝衝突の可能性は十分に考えられるでしょう。ですが、北朝鮮の軍事力の全貌はあまり知られていません。今回は、この3人で、北朝鮮の本当の軍事力を検証したいと思います。

 拓殖大学海外事情研究所所長の川上高司氏(62)は国際政治と安全保障の専門家。特にアメリカに詳しく、現在、トランプ政権が朝鮮半島情勢に及ぼす影響を分析している。聖学院大学教授の宮本悟氏(47)は朝鮮半島研究の専門家。北朝鮮の政治・外交・軍事全般に精通している。国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネル元委員の古川勝久氏(51)は2011年〜2016年まで国連で北朝鮮制裁違反事件を捜査した。

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source : 文藝春秋 2018年03月号

genre : ニュース 政治 国際 韓国・北朝鮮