米朝間で始まるのは「戦争」ではなく「取引」だ
米国と北朝鮮の緊迫した関係が、ここへ来てさらにエスカレートしています。両者の激しい非難の応酬を見ていると、「開戦前夜」であるかのようです。しかし、大切なのは、冷静にこの問題の本質を見極めることです。その上で、日本の国益となる選択肢を考えることです。
まず最初に認識しておくべきことは、米国はとても戦争に踏み切れない、ということです。
もちろん、ハンドリングを誤れば、意図せず戦争が始まる可能性はあります。誰も望まない形での戦争勃発は過去の歴史にも数多くあったことを忘れてはいけません。
しかし、少なくとも米国は、先制攻撃を決断できないでしょう。米国が先制攻撃をすれば、「第二次朝鮮戦争」となり、多大な被害が出るからです。ではどれくらいの被害が出るのか。1つのシミュレーションを見てみましょう。
第二次朝鮮戦争の被害予想
政府関係者によると、日本政府は米国と連携して、北朝鮮からの攻撃でどのくらいの被害が出るかをシミュレーションしています。
この試算では、ソウルはわずか2日で陥落し、軍人、民間人含めて合計で35万人の死者が出ます。その後、米軍が北朝鮮を完全制圧するにしても、2カ月はかかり、その間にさらに数倍の死者が出ると想定されているそうです。
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source : 文藝春秋 2017年11月号