責任を問われない官僚は企業経営に介入すべきではない
日本最大の液晶パネルメーカー、ジャパンディスプレイ(JDI)が重大局面を迎えている。資金が枯渇し、外部からの資本注入を模索しているが、間に合わなければ年内にも倒産の恐れがある。経済産業省主導の再編で2012年に誕生した国策会社が破綻すれば、3000億円近い血税が水泡に帰す。ここに至るまでに一体何が行われてきたのか――。
8月9日、JDIは起死回生の経営再建策を発表した。全社員の3割にあたる約3700人を削減し、主力工場の1つである能美工場(石川県)での生産を停止する。減損や人員削減に伴う早期退職費用などで、2018年3月期に1700億円の特別損失を計上する。
再建策をまとめたのは、JDIの大株主である産業革新機構の要請で今年6月に会長兼最高経営責任者(CEO)に就任したばかりの東入來(ひがしいりき)信博氏。68歳の氏は新卒で日本鉱業に入社した後、同社と米半導体装置メーカーが共同設立したディスプレー検査装置会社の経営者になり、その会社がイスラエル企業に買収された後も経営を任されてきた。
確かにJDIが手がける中小型液晶と無縁なキャリアではない。だが、液晶事業は新世代の生産ラインを構えるために1000億円を超える投資が必要な「規模のビジネス」であり、従業員数も1万人を超える。
「数百億円、数百人規模のマネジメントしか経験したことのない東入來氏にトップが務まるだろうか」
JDIと取引がある素材メーカーの社長は、こう言って、東入來氏の経営手腕を疑問視する。
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source : 文藝春秋 2017年10月号