役目を終えた人間だからこそ、好きなことをして生きたい
92歳になったいま、自分が間違っていたとわかりました。私は、人生に老後や余生などないと思っていたんです。
以前に出した本でも、こんなことを書きました。
〔いつからを老後という範疇に入れるのでしょうか。定年後とか子育て後という言い方ならわかりますが、「老の後」とは、いったい何を指しているのでしょうか。〕
〔「老後」というのと同じように、私は「余生」という言葉が好きではありません。〕
〔どうして余生なのでしょう。私は、生に余分はこれっぽっちもないと思っています。〕
ご丁寧に『私の人生に老後はない。』というタイトルの本まで出したほどです。終生現役で脚本を書き続け、そのまま死ぬつもりだったんです。
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source : 文藝春秋 2017年10月号