二十年目の「日曜天国」

中澤 有美子 フリーアナウンサー

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「安住紳一郎の日曜天国」が今年、放送開始から20年目を迎えました。私がこの番組のアシスタントに就任したのは2006年、放送スタートの翌年のことです。

 それ以前はTBSの報道番組に出演していたこともあり、安住さんとはテレビ局のメイク室ですれ違うくらいの間柄。アナウンサーの1期上の気さくな先輩という印象でした。ところがラジオの現場に一歩足を踏み入れると、ガラリと違う一面「しか」お見せにならない。

「あ、これは話が違うぞ」

 という緊張感が走ったことを覚えています。こうして私と「日曜天国」の歩みが始まったのでした。

メインパーソナリティを務める安住紳一郎アナウンサー ⒸJMPA

 最大の試練は、年に一度、安住さんが季節外れの夏休みを取るタイミングで訪れました。毎週日曜の朝10時から約2時間、生放送でお送りしている「日曜天国」の名物は、冒頭の30分を飾るオープニングトーク。それを私の一人語りでお届けしなければならないのです。しかも安住さんの名前は決して出してはいけないというルール付き。あくまで自分のネタで勝負せよというお達しです。

 あるじの留守を預かるわけですから責任重大。何か月も前から準備して、なんとか本番を終えた後は「これでようやく年末を迎えられる」と思ったものです。

 しかし、ほっとできるのも束の間、まだまだ試練は続きます。翌週の放送で待ち受ける公開フィードバックが心臓に悪いのです。

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source : 文藝春秋 2024年10月号

genre : エンタメ メディア テレビ・ラジオ