声はだれもごまかせない
2007年にアナウンサーとして勤めたNHKを定年で退局し、36年の組織人生活を終えました。大河ドラマ「太平記」やドキュメンタリー「映像の世紀」のナレーションなど、本当にいろいろな仕事をさせてもらいましたが、フリーになってからは、「ことばを育てる」を合言葉に、朗読指導者の養成や子どもたちへの朗読指導をライフワークにしています。75歳のいま、羽が生えたように自由な心持ちになっています。お陰様で日本全国を慌ただしく飛び回る毎日です。
(1)朝の黒糖生姜レモン湯と新聞3紙
アナウンサーは体が資本です。けれど、健康管理といえるようなことを曲がりなりにも始めたのはごく最近のこと。毎朝、黒糖生姜レモン湯を飲むことから私の一日はスタートします。これは10年以上続けている習慣。というのも以前は34度というほどの低体温。仲良しの沖縄の版画家・名嘉睦稔さんがいつも言っていました。「沖縄のおばあが元気なのは黒糖食べてるからだよ」と。黒糖と生姜を合わせて、そこにレモンやカボスなど酸味を少し加え、お湯で溶いて飲んでいます。体温は徐々に上がって、いまでは36度。ただ、真夏はお休み。気温が25度以上になる日は飲みません。暑くてしょうがないので。
低体温の頃はどうにもバイタリティがなかった。体力と気力はリンクしますから、いまは少しはやる気もあるでしょうか。フフフ。
それから、ここ数年続けているのが朝晩10分ずつのストレッチ体操。2020年に腰の手術をして3週間入院した際、術後のリハビリとして理学療法士さんに教わったことと自己流体操を組合わせています。腰をぐるぐる回したり、肩を回したり、脚を伸ばしたり。運動は朝食前と夜のお風呂上がり。いつも何かしていないと気が済まない子年の体質で、テレビを観ながら、ものを考えながらの「ながら」ストレッチです。
こんなとき、不思議と思い出すのは亡き母のこと。感情的なすれ違いがあって親不孝な娘でしたから、「あの時は悪かった」と反省してみたり、あるいは逆に、「あの人、まだあのこと謝っていないじゃない」などと腹を立ててみたり(笑)。母と対話している気持ちになります。内省というのか、一日のうちで一番ものを考える時間ですね。
続けていて思うのは、やはり「努力」であるうちは不完全で、なかなか続かないということ。歯磨きや洗顔と同じような「習慣」にしてしまえばこっちのものです。
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source : 文藝春秋 2024年1月号