立花　都知事に就任されてから、テレビで小池さんの顔を見かけない日はありません。聞くところによれば、スケジュールも分刻みだとか。大変でしょうね。

　小池　大変ですが、非常にやりがいのある仕事です。でも、防衛大臣のころのほうが「3時36分から」「4時27分から」と、文字通り“分刻み”でしたよ。都知事はまだ5分刻みのスケジュールです。

　立花　2016年ほど都政が注目された年はありません。昨年7月の都知事選挙の盛り上がりには驚きました。私のまわりを見ても、小池ファンの女性たちが多く、圧倒的な支持を集めていました。男たちの受け止め方と明らかに違う。

　小池　ありがとうございます。都知事選はまさに「熱狂的」の一言に尽きました。支持者の皆さんがあそこまで燃えて、一体になれた選挙は経験したことがありません。私はガラス張りの街宣車に乗っていましたので、街の人が力強く手を振って下さる様子がよく見えました。行く先々で、転ばんばかりの勢いで追いかけて来られた人もいたくらいです。

　立花　次点候補を100万票以上も引き離して、約291万票という莫大な得票数を得たわけですが、この結果は想定していましたか。

　小池　東京の選挙は何が起きるか分からないと言われますが、あの数字は予測できませんでした。

　都知事選は、私にとってちょうど10回目の選挙。参議院の比例区に始まり、衆議院の中選挙区、小選挙区、比例代表と、あらゆる選挙制度を経験しましたが、1000万人の有権者がひとりを選ぶ大きな選挙は初めてです。何から手を付けていいのか分かりませんでしたが、「後悔はしないように最善を尽くそう」と腹を括って臨みました。その覚悟の印が、キリリと締めた緑の鉢巻きでした。

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