朴槿恵を糾弾する「韓国という病」

牧野 愛博 朝日新聞記者・広島大学客員教授
ニュース 政治 国際 韓国・北朝鮮

検察、マスコミ、野党……利己主義が蔓延している

退陣要求デモは回を追うごとに大規模に ©文藝春秋

 2016年11月20日は、韓国憲政史上、特筆すべき日となった。現職大統領が初めて被疑者になったからだ。

 この日午前11時、韓国検察の特別捜査本部は、朴槿恵大統領の疑惑にからみ、長年の支援者だったチェ・スンシル、大統領府の政策調整首席秘書官だった安鍾範、付属秘書官だったチョン・ホソンの三容疑者の起訴を発表し、3人の罪状を記者団の前で読み上げた。

「チェと安は職権を乱用し、53企業に『ミル財団』と『Kスポーツ財団』の設立資金計774億ウォン(約70億円)を出資するよう強要した。財団の主要役員はチェの推薦通り決められた」

「ロッテグループにも、チェが推進する体育施設の建設費用として、Kスポーツ財団に70億ウォン(約6億3000万円)を交付するよう、現代自動車グループには、チェの知人が運営する吸着剤の製造・販売会社が11億ウォン(約1億円)規模の納品ができるよう、(通信大手の)KTには、チェが運営する広告会社に68億ウォン(約6億2000万円)規模の広告を出すよう、それぞれ強要した」

 最後に、こう結んだ。

「特別捜査本部は、朴槿恵大統領が3人の犯罪事実の相当部分について、共謀関係にあると判断した。憲法第84条に規定された現職大統領の不訴追特権のため、起訴できないが、捜査は続ける」

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source : 文藝春秋 2017年01月号

genre : ニュース 政治 国際 韓国・北朝鮮