不自然な入札案件は徹底的に洗い出す
小池百合子さんは、東京都知事選挙への出馬の際、「自民党東京都連の一員に名を連ねてきた私でございますけれども、正直申し上げましてどこで誰が何を決めているのか不透明なことが多かった。ブラックボックスのような形でございました」と、はっきり述べました。
自民党都連の幹部を中心とする反小池陣営は「何がブラックボックスだ。どこにそんなものがあるんだ」と散々反発していましたが、それは次第に明らかになっていくでしょう。
自民党都連のブラックボックス、そしてその後、明らかになりつつある豊洲新市場問題を始めとする行政のブラックボックス。小池さんの戦いは、都政を巡るこの2つのブラックボックスの解明から始まろうとしています。
東京は日本の首都ですが、政治や行政に関して日本の最先端を行くと思ったら大間違いです。情報公開や意思決定のプロセスなど、地方都市のほうが先進的な取組をしているところがいくつもあります。都議会と都行政は、遅れた地方自治体そのものなのです。
地方自治体でも、富山市や号泣県議で話題となった兵庫県など、さまざまな歪みが明るみに出てきましたが、規模が比較的小さいだけに不正や病巣が目につきやすいとも言えます。東京都の行政はあまりに巨大で複雑、まるで要塞のようになっており、内部で不正などが行われていても外部からはなかなか実態がつかめません。実態をつかもうとしても、都議会や都庁が前に立ちはだかってガードしているので光が当たらないのです。
都政の闇を明るみに出すには、豊洲新市場を視察した人たちが重機搬入口の細い隙間から地下の空洞を覗き込んでいたように、細い隙間をこじあけて、懐中電灯の光を当てていくしかない。最初の手がかりは針の穴のように小さくても、それを段々と大きくして都民の目にも見えるようにすることが小池都知事の仕事です。
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source : 文藝春秋 2016年11月号