除名された党員と気鋭の論客が一刀両断
党歴48年の“ヒラ党員”、松竹伸幸氏の除名問題で日本共産党が大揺れだ。1月19日に刊行した著書『シン・日本共産党宣言』(文春新書)の中で、松竹氏は20年以上もトップが代わらない党のシステムを批判。党本部に対し、党員投票による党首公選の実施を求めた。が、刊行からわずか17日後、氏の「除名」が決定。党規約では、処分は警告、権利停止、機関からの罷免、除名と4段階あるが、除名は最も重い。出版が「分派活動」にあたるというのが理由だという。2月6日、松竹氏は会見を開き、「出版が分派活動として処分されるなら憲法の言論、表現の自由は死ぬ」と反論した。昨年、創立100周年を迎えた日本共産党で一体、何が起きているのか。本誌2月号への寄稿「共産党はアップデートせよ」で、日本共産党へエールと叱咤を送った東京大学大学院准教授の斎藤幸平氏とともに、左派運動の「課題と未来」を語り尽くしてもらった。
斎藤 除名と聞いて絶句しました。私だけでなく、周りにいる党員も、JCP(日本共産党)サポーター(ネットやSNSでつながる支援者たち)も大混乱です。
松竹 現場で頑張っている党員にまで混乱がおよんでしまって、申し訳ないと思っているんです。
斎藤 ネットの空気もピリピリで、今日のこの対談イベントをツイッターで宣伝したら、リプライ欄は荒れました。私は共産党を外から応援している1人ですが、「ついに本性を現したな」とか「お前は左翼の中に分断を持ち込むのか」とか。挙げ句は「裏切り者!」とも(笑)。
松竹 私もこんな処分は受け入れられないし、こんなことで処分に走る党では、アップデートどころか、もっと深いところに落ち込んでしまうと危惧しています。
先日も党員の女性から、「松竹さんに共感するから議員の夫とともに離党する」とメールをもらったので、「早まらないで」と返したんです。
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source : 文藝春秋 2023年4月号