おおた　今年の2月4日の東京は気温がグッと下がり、冷たい雨が降りました。受験会場に行くのも大変だったと思います。

　高瀬　東京・神奈川の中学受験は2月1日がスタート。4日も有名どころでは聖光学院（2回目）や豊島岡女子学園（3回目）などの試験がありました。最近は午前・午後と2回受けることも珍しくなく、疲労が溜まってきた4日目に雨に降られると、親も子も気が重くなりますよね。

　おおた　ただでさえ体力的・精神的にしんどいのに、皆さん大丈夫だろうかと心配になりました。

　高瀬　入試本番のあの雰囲気は独特なものがあります。親御さんたちと緊張の面持ちで試験会場へ向かう6年生たち。新型コロナの影響で、まだ全面解禁とはなっていませんが、生徒たちを応援するために学校で出迎える大勢の塾の先生たち。この特殊な空気感を描きたいという思いが、私が漫画『二月の勝者』の連載を始める原動力となりました。

　おおた　塾の先生による入試応援は、私が受験した約40年前にはありませんでした。30年ほど前から始まった文化だと思います。

　高瀬　会場は極度の緊張がただよう非日常の場です。受験生といえども11、12歳の子どもたち。塾の先生の顔を見て声を聞くことでホッとするようですね。もちろん「ウザい」と言って、ササッと会場内に入っていく子もいますが（笑）。

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