急増する中国人移住者に日本は「食い物」にされる?
「私の手持ち資金は1000億円もないが、もし半導体関連の企業が買収できるなら、乗りたい投資家はいくらでもいる。買収のチャンスだけ見つければ、後はなんとでもなる。みんな必死だよ」
今年6月、東京で開催された中国人向け投資説明会に参加した中国人は、笑顔で語った。主催した中国の大手企業、復星国際(フォースングループ)は富裕層の対日投資のサポートに力を入れている。
「この1年、東京で出会った富裕層の数は、その前の10年間に中国本土で会った数よりも多い。中国人富裕層の日本投資は絶頂期を迎えた」
そう主催者が語るとおり、皇居のすぐ隣にあるビルで開かれた説明会には中国人投資家が押し寄せた。テーマは企業買収。半導体、観光、医療、不動産など注目分野が紹介されたほか、外為法に抵触しない合法買収のルールや万が一台湾有事が起きた場合のビジネスへの影響などがレクチャーされていた。
「今後1000億円を超える大型投資案件が次々と決まるでしょう」
企業買収だけではない。レストランで使われる配膳ロボットを製造すする中国パンゴリン・ロボット社は日本での工場設立を計画中だ。米中対立が激化する中、いつ中国から輸出できなくなるかわからない。中国外での拠点確保を検討する中国企業は多い。ではなぜ、日本なのか。「メイドインジャパンの看板が使えるのは大きい。それに今では日本の人件費も安いしね」と創業者の宋育剛董事長は話した。
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source : 文藝春秋 2024年11月号