党員集め、パー券購入まで…「困ったら統一教会」自民・根本幸典衆院議員と旧統一教会“ズブズブの関係”〈関係者が続々告発〉 

鈴木 エイト ジャーナリスト

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「2017年と、2021年の衆院選でそれぞれ、世界平和連合として根本先生の選挙を支援しました」

 こう語るのは、先日の第50回衆院選、愛知15区で5回目の当選を決めた根本幸典衆院議員(59)を支援した、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合。以下、統一教会)愛知県豊橋支部元幹部のA氏だ。

 根本氏は一橋大を卒業後、リクルートに就職。その後に政界入りし、2003年から豊橋市議を2期務め、12年の衆院選で初当選した。政治資金パーティの裏金問題では420万円が不記載だったとして、政治資金収支報告書を修正している。そのため、今回の衆院選では比例代表との重複立候補は認められなかったが、小選挙区で2位に大差をつけて当選した。

「裏金問題の禊は済んだか?」と質問する報道陣に「信頼は一日でできるものではない」と答えた根本氏だったが、実は“もう一つの問題”をひた隠しにし、有権者を裏切っていた――。

電話掛け、後援会の結成、推薦確認書への署名

「これまで、旧統一教会及び関連団体への選挙支援の依頼、及び組織的支援などの依頼をしたことはありません」

 根本氏は、2022年8月に行われた自民党による自主点検や、マスコミの取材に対して、統一教会との関係を一切認めてこなかった。10月23日に「文藝春秋 電子版」で配信した「全公開『極秘 旧統一教会内部資料』33ページ 2021年衆院選、旧統一教会に支援された自民候補者実名リスト」でも、上記のように関係性を否定したばかりだ。

 しかし、今回の取材で豊橋支部元幹部、教会関係者、根本氏の元秘書、事務所関係者から次々に重要証言を得ることができた。明らかとなったのは、根本氏と統一教会との“緊密な関係性”だ。

「根本はこれまで、統一教会との接点を一切、認めてきませんでした。でもこれは、まったくの嘘。2021年の衆院選まで大変お世話になりながら、2022年の安倍さんの銃撃事件後、大慌てで一方的に関係を断ったのです」

 こう語るのは、先日の第50回衆院選、愛知15区で5回目の当選を決めた根本氏の元秘書・B氏だ。

 ここに一枚の集合写真がある。今回、教会関係者から提供されたものだ。満面の笑みを浮かべる統一教会関係者たちに囲まれ、最前列中央で少し硬い表情を浮かべつつ花束を持って写真に納まっている人物こそ、根本衆院議員だ。

後援会「典世会」発会式で教会幹部に囲まれる根本氏(教会関係者提供)

 横断幕には「根本幸典後援会『典世会』発会式」とある。日付は2017年10月8日、前々回の第48回衆院選の公示直前である。主催は統一教会のフロント組織である世界平和連合(FWP)となっており、後援会の「典世会」という名称も、議員の名前と同連合から一文字ずつ取る、統一教会の慣習どおりだ。最前列には、前述した記事「全公開『極秘 旧統一教会内部資料』33ページ 2021年衆院選、旧統一教会に支援された自民候補者実名リスト」で取り上げた教団内部資料の作成者である、世界平和連合中部地区常任講師・S氏の姿もある。

 教会関係者から入手した統一教会側との“緊密な関係”を示す多数の写真や資料から、根本氏が隠蔽してきた“不都合な事実”が次々と明らかになった。

「根本氏は選挙情勢が厳しくなると、次第に教団の選挙支援を受け入れるようになりました」

 こう証言するのは、前出の豊橋支部元幹部のA氏だ。A氏によれば、根本氏の選挙応援は2017年、2021年の2度。根本氏が初の国政選挙に挑んだ2012年、つづく2014年の衆院選では、統一教会側から支援を申し出たものの、根本氏に断られたのだという。

「2017年の3回目の選挙は状況が厳しかったので、支援を受け入れてくれたんです。後援会を作ったのもこの時。100人くらいの教団関係者が加入しました。教団からの選挙支援として、10人前後は応援に入っていました。主に投票を呼びかける電話作戦を担当し、後援会では知人に投票をお願いしてまわりました。地元の豊橋教会はあまり大きな教会ではないので、これくらいの規模ですが、もっと大きな後援会を組織する地区もありますよ」(A氏)

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