ベテラン神奈川県議が、自民党の旧統一教会汚染を告発する(取材・構成=鈴木エイト)
手元に、一枚の写真があります。
これは、山際大志郎衆議院議員(元経済再生担当相)の事務所で、現在も公設第一秘書として働くA氏が、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)関連団体によるデモでマイクを握り、街宣車上から群衆をアジる様子を撮影したものです。2010年12月18日、東京・秋葉原で行われた「真の家庭運動推進協議会」(APTF)や世界平和青年連合が共催するこのデモは「純潔を守ろう!Pure Love Tokyo 2010」。真っ赤なセーターに身を包んだA氏が、運動会の赤白帽さながらのサンバイザーを被り、青少年保護や不倫反対を訴えると、参加者たちはそのアジに唱和していました。
山際議員は、旧統一教会と決別などしていない――。
現役の、それも国から給与を支払われる公設秘書が、旧統一教会信者であった事実を示す「動かぬ証拠」として、2023年12月、私は自由民主党神奈川県支部連合会(以下、県連)に、この写真を提出しました。
25年前に神奈川県議に初当選して以来、同じ川崎市高津区選出の山際議員とは、共に厳しい選挙戦をくぐり抜けてきた仲ではあります。当然、一丸となって汗水を流す秘書の方々とも次第に顔見知りになりました。
「秘書のAです」
自信満々な様子で山際氏からA氏を紹介されたのは2012年頃のことです。03年に初当選を果たした山際議員が09年の落選を経て、政界復帰を目指して活動を活発化させていた時期でした。爽やかな笑顔で白い歯を覗かせ、お辞儀するその姿は、見るからに好青年。短髪はワックスで流れるように整えられ、健康的に日焼けした元気溌剌なスポーツマンという出で立ちで、どこか純朴さを感じさせました。
「思わず周囲に紹介して歩きたくなる自慢の秘書なのだろう」
それが第一印象でした。ですから、彼が旧統一教会の信者であったことを知った時には、驚きました。まさか、公設秘書が信者だったとは――。その経緯については後述します。
そして、私の議員生活も山際議員とA秘書によって大きく変わりました。私が山際議員事務所の“統一教会汚染”を追及したことで、小泉進次郎会長率いる県連から処分される日が来ようとは、夢にも思いませんでした。
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