「とにかく党に戻りたい!」
松竹 本日はお会いできて大変光栄なのですが、実は知人のなかには、佐藤さんと対談することに反対する人もいまして……。
佐藤 私は学生時代から日本共産党にかなり批判的でした。「佐藤はけしからん反共主義者だ!」と現在の共産党も認識しているはずです。
ただ、思想信条は違っても、心の底から信じるものに従って筋を通されてきた松竹さんの生き方自体に私は魅了されて、ずっとお会いしたかったので、本日は念願叶って大変うれしく思っています。
共産党は「佐藤はどういう反共主義者なのか?」は掴みかねているでしょう。私の「反共」が分かりにくいのは、3つの要素からなるからです。(1)講座派に対する労農派的な意味での「反共」、(2)ブント系の新左翼的な意味での「反共」――(1)と(2)の混合はよくあるケースですが――、そこに、インテリジェンスに関わった経験から(3)公安警察的な意味での「反共」も加わっていて、その点がとくに「訳が分からない」と思われているだろうと自己分析しています。
松竹 公安調査庁現役幹部の横尾洋一氏と対談(「革命路線に変わりなし」『正論』2021年7月号所収)されていたのには私もひどく驚かされました。佐藤さんと対談するにあたって、「これだけは言っておかないと」と思っていました。
破防法の調査対象
佐藤 2020年に共産党が16年ぶりに党綱領を改定して“ソフト路線化”をアピールしたことを受けた対談でした。
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source : 文藝春秋 2024年2月号