“時代を作った人たち”の本音に迫る対談企画「有働由美子のマイフェアパーソン」。今回のゲストは、歌手の増田惠子さんです。
有働 こうして直接お目にかかれるなんて嘘のようです。今、懐かしの歌番組特集などを見ていても、歌詞を見ずにフルで歌えるのって、やっぱりピンク・レディーさんぐらいですもの。
増田 嬉しいです。こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。
有働 どんな方にご挨拶されるのにも、座ったままでなく立ち上がられて、すごく丁寧でいらっしゃるのですね。最近珍しい気もします。
増田 そうですか? 昔の人間ですので(笑)。
有働 昔の芸能界は厳しかったですか。
増田 そうですね。ただ、デビューした頃は今より大柄で、高いヒールを履いて、しかも2人組じゃないですか。とにかく元気にご挨拶しなきゃと「おはようございます!」と大きな声で言っていたら、歌番組のプロデューサーさんに「あいつら生意気だな」と言われたそうです。「威圧感があるし、ちょっと偉そうだから、もう少し楚々とした方がいい」と注意を受けたので、小声で挨拶するようにしたら、今度は「最近偉そうだね」と言われて。
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source : 文藝春秋 2025年1月号