〈鹿児島県警不祥事問題〉本部長の隠蔽を告発した元警視正の“ウラの顔”

桜田門 四郎 ジャーナリスト

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県警本部の最高幹部、生活安全部長だった元警視正が、県警トップの本部長を「犯罪行為を隠蔽しようとした」として告発した鹿児島県警の不祥事問題。しかし、元警視正は“正義の告発者”だったのか--。

不祥事のオンパレード

《県警察への県民の信頼は大きく揺らいでいる》

 2024年8月、鹿児島県警が公表した「鹿児島県警察において発生した一連の非違事案の原因分析とそれを踏まえた再発防止対策について」と題する報告書には、強い危機感が上記のように示されていた。

 鹿児島県警では野川明輝前本部長(1995年警察庁入庁)が在任した2022年10月から2024年11月にかけて、10人の職員が懲戒処分を受け、6人が逮捕された。まさに異常事態と言うほかない。その中身は、大麻所持、不同意わいせつ、情報漏洩、建造物侵入、盗撮、ストーカー、飲酒運転、勤務時間の不正申告など、不祥事のオンパレードである。

野川明輝前本部長 ©時事通信社

 だが、これは警察官個人の不正に留まる話ではなく、鹿児島県警の組織的体質が背景にあると疑わざるをえない。福岡のネットメディア「ハンター」が、2023年11月に画像付きで報じた県警の内部文書「刑事企画課だより」を見てみよう。

《「警察にとって都合の悪い書類だったので送致しなかったのではないか」と疑われかねないため、未送致書類であっても、不要な書類は適宜廃棄する必要があります》

《再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!》

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