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四半期で100億円単位の売り上げを記録

 日本のゲームのリバイバルは「サクラ大戦」にとどまりません。昨今中国では日本のゲームが人気です。テンセントが「聖闘士星矢」のオンラインゲームをリリースして、四半期で100億円単位の売り上げを記録しています。

 去年にはファミコン初期の人気タイトル「魂斗羅」がテンセントよりリバイバルされ、ヒット作となりました。ランボーのような銃を携えたふたりが無限に弾丸を放って突き進むゲームです。アラフォー以上のゲーマーだった読者には懐かしいタイトルです。いずれもちゃんと版権はとっています。

スマホショップが集まる中国広州のビル ©山谷剛史

 ところで「ラングリッサー」というゲームをご存知でしょうか? 中年の読者もほとんど知らないことでしょう。27年前のゲームです。このゲームも今夏中国でスマホ向けゲームとしてリバイバルされ、今も人気のタイトルとなっています。

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 1990年代前半、クラスのゲーム好きの男子のほとんどがスーパーファミコンを持ち、「ゼルダ」や「ドラクエ」や「マリオカート」などで遊ぶころ、クラスの数人だけが持っていた日陰のゲーム機「メガドライブ」と「PCエンジン」で最初に展開されたシミュレーションで、よく言えば「隠れた名作」、悪く言えば「クラスで1人2人だけが知ってる作品」なのです。しかも現在口コミサイトで「ラングリッサー」最高傑作といわれる作品は、「PC-FX」とかいう学年で1人買うか買わないかくらいの存在感がまったくなかったゲーム機から出ているわけです。なんということでしょう。

 さて、中国向け「ラングリッサー」ですが、よくできてます。音楽はメロディーは同じでより豪華に、絵も綺麗になり、シナリオはたくさん。だけど1回のプレイで時間をかけないスマホ向けだからか、昔の「ラングリッサー」より盛り上がりに欠けるように感じられ、個人的にPC-FX版のほうが好きですね。

その昔、中国で海賊版が出回って人気を博したから

「サクラ大戦」はまだ知名度あるからいいですよ。セガのゲーム機「サターン」や「ドリームキャスト」では看板タイトルだったので、遊ぶ人はそれなりにいると思います。「サクラ大戦」はゲームを始めるといきなり歌いだすのですけれど、その歌を歌えちゃうような人が中国にはいっぱいいるわけですよ。

中国のゲーム市場は年々拡大している ©山谷剛史

 なんでそんな「サクラ大戦」が、「魂斗羅」が、「ラングリッサー」が、中国企業から復刻されて熱烈歓迎となったかというと、その昔、中国で海賊版が出回って人気を博したからなのです。

 中国では最初に「ファミコン」のニセモノが出て、そして「メガドライブ」のニセモノも出て、いずれも海賊版ソフトが多数発売されました。そのあと海賊版ソフトが多数流通する「ゲームボーイ」や「ゲームボーイアドバンス」といった携帯ゲーム機が普及して、さらには海賊版まみれの「プレイステーション」「プレイステーション2」「プレイステーション・ポータブル(PSP)」が人気となります。逆に中国人の多くはゲームマニアでもない限り「スーパーファミコン」も、「セガサターン」も知りません。「魂斗羅」「ラングリッサー」は、そんな海賊版まみれの中国市場で特に人気のタイトルだったのです。