Q 会社の後継者をどうやって選んだのですか?

 亀山さんが自ら創業して、30年以上育ててきたDMM.comを、20歳以上も年下の「pixiv(ピクシブ)」の片桐孝憲さんに譲るという報道を見てびっくりしました。亀山さんは、会社が、自分が想像できないくらいのものに育っていくのを楽しんでいる感じがします。大博打を打っているというか…。後継者を選ぶのに、どれくらい迷いましたか。私は、小さな会社を経営しておりますが、倅が後を継がないようなので、誰を後継にすべきか日々頭を悩ませています。(50代・男・自営業)

A 後継者選びなんて、本当はやりたくないのよ。

 どうも、はじめまして亀山です。ゆるい感じで相談にのるということで、タメ口で好き勝手言うけれど、許してね。

 俺は今までビデオレンタル店、DVD販売、インターネットと、衰退しそうなものから成長しそうなものに、節操なく業種を乗り換えてきたんだけど、それは今のビジネスがダメになる前に次のビジネスを育てないと、食っていけないからなんだよ。だから、大博打を打って後継者選びをしているというよりは、自分がジジイになってボケる前に後任を育てないと、老後に食えなくなるから、仕方なくやってるんだよ。

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 本当はやりたくないのよ。後継者選びなんて。面倒だし、さみしいし。でも、やるべきことは分かっているのに先送りしていると、緩やかに衰退していくしかないからね。

 たいていの創業者はいくつになっても、自分がどの社員よりも優れていると思っているよね。でもそれは事実であり、当たり前のことなんだよ。だって、自分が好きな奴を集めて、自分を中心に作った組織なんだから。「将軍様と喜び組の最強の布陣」って感じよ。

 だから、社内にも社外にも自分より適任なんて一生いないし、一番マシな奴に無理矢理にでも委ねるしかないよね。仮に俺から見たら片桐がまだまだだと感じたとしても、20年長く生きるというその一点において、俺よりも圧倒的に優れているからね。

 ちなみに、自分の意思を後世に残すなんてことは、あまり考えないほうがいいんじゃないかな。社長が変われば、まったく別の会社だからね。亡霊の信念ほど厄介なものはないからね。「あとはよろしく!」だな、俺の場合は。

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