2020年の東京五輪開催中の渋滞対策として、東京都と国が首都高速道路の料金を1000円上乗せすることを検討しているという。

 東京に車でやってくる人が困惑するのが東京都内の道路の複雑さである。首都高速道路は制限速度60キロとはいえ、随所で複雑に曲がりくねり、通行車両の数も多く、出口も左右どちらの車線から降りるのか、ドライバーはあらかじめ頭に入れておかないと、到底目的地に降りることができない。通りの名もあまりにたくさんあって、タクシーに乗って行先を告げても、運転手から「どこの通りを行きますか?」と尋ねられて皆目見当がつかないといったことがよくおこる。

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 一体東京の道路はどのような構造になっているのだろうか。よく地方から東京にやってきた人は「地下鉄網がわかったら立派な東京人」と言われるが、東京の道路網は実は東京人でもその全容が頭に入っている人は非常に少ない。

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 東京の道路は関東大震災と太平洋戦争を経て整備された歴史をもつ。したがって現在の道路は戦後戦災復興院の告示に基づき整備された道路からスタートし、国である建設省(現国土交通省)、東京都、そして特別区が告示した道路によって整備されてきた。

複雑なのはここからだ

 都内の道路は、道路の規格に応じて、「高規格幹線道路」「地域高規格道路」「環状道路」「放射道路」そしてこれらの道路をつなぐ「補助道路」などで構成される。

「高規格幹線道路」というのは東名高速道路のような高速道路に加え、国土交通大臣指定に基づく高規格幹線道路を指す。たとえば圏央道のような道路だ。「地域高規格道路」とは「都市圏自動車専用道路」と呼ばれる道路。都内では首都高速道路や第二東京湾岸道路、第三京浜などの高速道路を指す。また一般の高規格幹線道路として八王子バイパスなどもこの分類に当てはまる。

 ここまでは有料道路であることから東京人でもおおよそ場所や道路の内容については理解ができるかと思うが、複雑なのはここからだ。