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番号で呼べば分かりやすいはずなのに
さて、これら8本の環状道路を貫いていく道路が「放射道路」と呼ばれるものだ。東京都心部から郊外に向かって放射状に、実に36本もの道路が放射道路と呼ばれている。そしてこれらの道路にも「東京都市計画道路幹線街路放射〇号線」というやたらに長い名称が与えられている。ところが放射道路になるとこれを「号線」で理解している人は東京人の中でも皆無といってよいのではないだろうか。
たとえば中原街道は品川区の戸越近辺より多摩川を渡ってタワーマンションが立ち並ぶ武蔵小杉近くの新丸子までをいうが、この中原街道は正式には放射二号線だ。同様に目黒通りは三号線、青山通りから玉川通りにかけてが、四号線ということになる。
放射道路はそのほとんどが通称である「通り名」で呼ばれていることから東京にやってくる人は、環状道路と放射道路、そしてそこに数多く名付けられた「通り名」で道路を覚えなければならないということになるのだ。
8本の環状道路と36本の放射道路を番号で呼べばわかりやすいはずなのに、環状道路はあやふやな環状、というかほとんど環状にもなっていない状態。放射道路もやたらに通り名を優先させた結果、誰から見てもわかりにくい道路名になっているのではないだろうか。
放射道路のほかにさらにこれらの道路をつなぐものに「補助道路」がある。これは正式には「補助線街路」と呼ばれ、その数ともなれば実に333本だ。これらの道路も一部には「通り名」が冠されている。また補助道路になると「環状」でも「放射」でもないので道路はますます複雑になる。