この7月から、九州国立博物館では『室町将軍 戦乱と美の足利十五代』が開催される。同展の目玉は京都・等持院所蔵の歴代の将軍像。13体全部が寺外で展示されるのは初めてのことだ。企画を担当する同館展示課の一瀬智(いちのせとも)さんは言う。
「等持院さまの改修工事の間、私どもで預からせていただいたので、お戻しする前に展覧会を開きたいと思ったんです。将軍像はけっこう大きく概ね高さ100㎝、幅150~160㎝、底面積は畳半分ぐらいあります。それが13体ありますから、見応えありますよ。とくに足利義満の像などは、迫力がありますね」
同展では歴代の足利将軍を軸にして、室町文化の発展を目の当たりにできる。
「一般に八代目の義政が、中国などの文物の精華を集め“東山御物(ごもつ)”を形成した将軍として知られていますが、その礎を築いたのは四代義持や六代義教などそれ以前の将軍たちです。太宰府にある九博は、日本と外国との交流をコンセプトのひとつにしています。室町幕府は日明貿易によって権威と財力を得ていました。本展でも将軍と中国との交流の歴史を手厚く紹介する予定です。本展は巡回しませんので、この機会にぜひ九州へいらしてください」
INFORMATION
『室町将軍 戦乱と美の足利十五代』
九州国立博物館 7月13日~9月1日
https://www.kyuhaku.jp/