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人生を変える片付けの“きっかけ”は「川島なお美さんの早すぎる死」だった

『2週間で人生を取り戻す!  勝間式 汚部屋脱出プログラム』#1

2019/08/06

仕事や時間の使い方も“片付け” を

 物の片付けが概ね終了した後、この考え方を時間管理やサービスにも応用すればいいんだということがわかり、仕事もなるべく絞り込むようになりました。自分にとって快適でない時間や仕事はどんどんと減らしています。

人生を変える片付け“後”のリビング ©文藝春秋

 特に大きかったのは悩んだ末に、2019年の2月を最後に原則としてテレビ出演をやめたことです。

 私自身が普段全くテレビを見ませんし、テレビに出ているということを楽しんでいないことは自覚していました。それでもなかなかやめる決断ができなかったのは、テレビに出ることで出演料がもらえる他、講演料が跳ね上がり、広告の仕事が来るなど、仕事上で明確な報酬面での見返りがあったからです。そして、なんといっても、会う人、会う人にテレビに出ているというだけで、なぜか日本ではちやほやされます。それは正直気分がいいものです。

 しかし、私にとってはテレビ出演の準備から出ている間を通して、楽しんでいないどころか、ストレスの連続でした。こんなにストレスを感じながら仕事をするのはどうもおかしい。 

「自分の必要とするものだけに囲まれるシンプルな暮らし」というものがどれほど快適かということを知ったからには、時間の使い方や仕事などの内容についても同じようにすべきだと考えたのです。

 この文庫本が刊行される少し前から、近藤麻理恵さんの、お片付けに関するドキュメンタリー番組がNetflixで配信され、世界中で大ブレイクしています。そのドキュメンタリーの中でも様々な家族が片付けを通じて自分の価値観や人生を取り戻す姿が描かれています。登場する家族の姿は、まるで数年前の自分を見るようです。非常に面白くて、私も全部見てしまいました。

世界の“こんまり”こと近藤麻理恵さん ©文藝春秋
 

 片付けた後、例えば私の場合は、これまでよりも自宅で調理をするようになったので、普段自分が作っている料理をブログやインスタで紹介したり、本にまとめたり、年に何回かは料理教室まで開くようになりました。

 片付けによって、食事を作ることがとても快適になりました。今では栄養バランスの取れた、野菜や食物繊維、たんぱく質が十分な食事を毎食、自分で作っています。食べることを大事にすることで体力や仕事の質、人間関係や生活の質まですべて変わるということも実感しました。私の人生を大きく変えたすべての出発点は、家を片付けたことです。

 家の片付けをするまでは自分にとって何が重要で、何が重要でないかということについて、きちんと考えることを先送りにしていたのだと痛感します。片付けというのは、まさしく自分の人生の優先順位をつけるための作業なのです。