東京五輪は本当にアスリートファーストなのか?
こう書くと「暑さ」の話だと思われるだろう。いや、もっと前の「そもそも」を考えてみたいのだ。
IOCに対し今回の日程を「晴れることが多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」とウソまでついてなぜ招致したのか。する必要があったのか。
高層ビルが「雨後のタケノコ」のように生まれている
まずこちらの記事をご覧いただきたい。
「神宮外苑 高層化なし崩し」(朝日・7月25日)
これは7月の朝日の一面トップだが、スクープというより「東京五輪あと1年」的な記事だった。しかし読むとザワザワする。
ここで伝えられているのは、
・「都心最後の一等地」と言われた明治神宮外苑地区一帯でいま、高層ビルが「雨後のタケノコ」のように生まれている。
・地区の景観を半世紀ほど守ってきた建築物の高さ制限が緩和されたため。
・呼び水になったのが東京五輪の招致だった。
なんだかザワザワします。美しい景観を守るために高さ制限「15メートル」だった明治神宮外苑が新国立競技場をつくることで一気に「80メートル」に引き上げられた。大胆で劇的すぎる変更。
これによって、新国立の建設を中心とした神宮外苑の再開発が可能になった。
もしかして新国立競技場は“アリバイ”として使われたのか?