発達障害は、脳機能の先天的な障害
いま、大人になってから発達障害とわかる人が増えています。
発達障害とは、脳機能の先天的な障害のこと。生まれながらに脳の働きにかたよりがあり、それが様々な特性となって現れるもののことです。
多くの場合は幼少期に診断されますが、最近では、大人になってから、うつ症状や不安症状などの二次的な障害が起きて初めて発達障害とわかるケースが増えてきています。
これまで1万人以上を診てきた、発達障害のスペシャリストであるどんぐり発達クリニックの宮尾益知先生に、発達障害について話を伺いました。
誰でもどちらかの特性を持っている
「最初にやっていただいたチェックリストは、半分以上あてはまると、【A】の場合はアスペルガー症候群、【B】の場合はADHDの疑いがあると言われます。しかし、これまで発達障害とは関係ないと思っていた人でも、意外と多くあてはまって驚いたかもしれません。
発達障害とは、風邪やインフルエンザのように0か100ではなく、グレーゾーンが大きいもので、誰にでも気分の波があるように、生活環境や人間関係などで症状が強く出る場合もあれば、不自由がないまま過ごせる場合もあります。
『あの人は几帳面でいつも趣味に没頭している』とか『あの人は忘れっぽい人だけど、人当たりはいい』などというように、人には個性があります。発達障害とはその個性の波が強すぎるために、周りに迷惑をかけたり、自分ができないことが浮き彫りとなって生きづらさを感じていたり、うまく世の中が渡れずに困っている状態のことをいいます。
人は誰でもどちらかの特性を持っているもの。アスペルガー症候群、ADHDのチェックリストで数が多く当てはまったからといって、現在までの生活で不自由を感じていなければ全く問題はありません」