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新機能はまったくナシ! それでも新型iPadが“買い”なのはどんな人?

薄くも新しくもない新型iPadをテクニカルライターがオススメする理由

2017/04/14
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既存のiPadユーザの買い替えや新規購入にぴったり

 実際に購入した製品を見ていきましょう。実はこの製品、これまでの現行モデルだった「iPad Air 2」のひとつ前のモデルである「iPad Air」と、厚みおよび重量はまったく同じです。そのため、それ以降に発売された「iPad Pro 9.7」「iPad Air 2」を使ったことのあるユーザから見ると厚みや重量が増したように見えますが、「iPad Air」以前のモデルを使っていたユーザにとっては、問題にならないと考えられます。さすがにもう使っているユーザは少ないと思いますが、初代のiPad(厚み13.4mm)と比べると、厚みはほぼ半分です。

iPad Pro 9.7やiPad Air 2の薄さには及ばないが、初代iPad(奥)と比べると厚みは半分ほどしかない

 一方、iPad Air以前にはなかった指紋認証(Touch ID)を備えるほか、メモリも2GBと、iPad Air(メモリ1GB)から倍増しているほか、CPUはA9プロセッサということで、iPad Air(A7プロセッサ)に比べて大幅に進化しています。このほかにも、Wi-Fiが高速規格の11acに対応していたり、カメラの画素数が向上したりと、iPad Air、およびそれ以前のiPadに比べて隅々まで強化が図られています。

 それでいて、現行のiPad Pro 9.7が最も安価な32GBのWi-Fiモデルでも62,800円もするのに比べて、この新しいiPadは、同じ容量のモデルがわずか37,800円から手に入ります。iPad Pro 9.7はCPUがA9Xプロセッサなので、最上位のスペックと肩を並べられるわけではありませんが、ただ安価なだけの廉価版にしては充実したスペックです。

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iPad Pro 9.7(右)とは縦横のサイズがまったく同じであるため、並べても違いが分からない

 具体的にまとめておきましょう。過去に第1~4世代まで発売された「iPad」シリーズを使っているユーザにとっては、買い替える絶好の機会と言っていいでしょう。それらのモデルを今なお使っているということは、おそらく4年以上も同じ製品を使っていると考えられますし、多くのモデルでは最新のiOSも非対応となりつつありますので、なおさらです。

 逆に、「iPad Air 2」や「iPad Pro 9.7」を使っているユーザにとっては、わざわざ乗り換える必要はありません。そのまま使い続けていいでしょう。

 人によって判断が分かれると思われるのが、2013年発売の「iPad Air」から買い替えるべきか否かです。本体サイズと重量はまったく同じなので、新鮮味はまったくないでしょうが、もしいまiPad Airを使っていて、動作が重い、Wi-Fiの通信速度が遅い、容量が足りないなどの不満があれば、この機会に買い替えを検討してもいいかもしれません。

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