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脱・中年太り! 医師が肥満外来で指導しているダイエット法、教えます

意外なオススメ食材、食後の過ごし方の一工夫とは?

2017/05/30

 ぽっこりお腹やぽっちゃり下半身に悩む中高年のみなさん、ダイエットはなさっていますか? 頑張っているつもりでも一向に体重が減らず、笑うしかない人が多いのではないでしょうか。かくいう私も、その一人です。

医師が肥満外来で実際に指導しているダイエット法は?

 前回の記事で、「中高年が太るのは基礎代謝が落ちたせいではない」という話を書きました。確かに1日の基礎代謝量は落ちるのですが、ごはん1杯分ぐらいのカロリーに過ぎません。島原病院(京都)の肥満・糖尿病センター長、吉田俊秀医師によると、太ってしまうのは結局のところ、「食べ過ぎ」ということでした。

 ちょい太ぐらいならむしろ健康的と言えるのですが、太り過ぎは高血圧や糖尿病を招くことがあります。脂肪細胞が脂肪をため込んで膨張すると、血圧を上げるレプチンや、インスリンの効きを悪くするTNF-αなど、様々な物質が分泌されるからです。

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 医師から血圧や血糖値が高めと指摘され、やせるように言われた人も多いはず。なかなか体重が減らず、困っている人もいると思いますが、あきらめることはありません。吉田医師によると、1ヵ月ダイエットをがんばって、体重の約3%落とすだけでも、血圧や血糖値は改善することが多いそうなのです。なぜなら、脂肪細胞が縮んで、血圧や血糖値を上げる物質が分泌されにくくなるからです。

 体重の3%と言えば、70kgの人は約2kg、100kgでは約3kgです。これぐらいなら本気でがんばれば、なんとかできそうではありませんか? どうすれば3%減を実現できるのか、吉田医師が肥満外来で指導している方法をご紹介します。

医師イチオシの食材はコレだ!

 まず大切なのが、食事のとき、最初にたくさんの野菜から食べることです。とくにおすすめなのが、「ざく切りのキャベツ」とのこと。噛み応えがあるので、よく噛んでいるうちに満腹中枢が刺激されて、お腹がふくれやすいからです。また、先に野菜を食べると食物繊維が胃腸の粘膜に張り付いて、血糖値の上昇が緩やかになる利点もあります。

最初にざく切りのキャベツをよく噛んで食べると、満腹中枢が刺激されてお腹がふくれる ©iStock.com

 それから、食事の量を控えることも大切です。野菜以外の量の目安としては、男性は1日にごはん3杯、女性は2杯まで。おやつはできるだけ果物にして、1日に握りこぶし2個分までにします。

 筋肉を維持する必要があるので、たんぱく質はしっかり摂らなくてはいけません。女性は肉、魚を各80g(合計160g)、これを男性はそれぞれ100g(合計200g)に増量。さらに卵1個、牛乳200ml、豆腐半丁分の大豆(枝豆、納豆などでもOK)を摂ります。

 肉80gというのは、豚肉のしょうが焼きなら4枚、鶏もも肉なら3分の1弱ぐらいの量です。また、焼き魚の場合は、アジの開きなら小さめ1枚、シャケ、サバなどなら切り身1つ分が目安となります。

「これではもの足りない」という場合には、野菜をたくさん食べてお腹を満たしましょう。ただし、さつまいも、じゃがいも、長芋、かぼちゃ、とうもろこし、れんこんなど、炭水化物を多く含む野菜もあるので、これらは控えめにする必要があります。