イラスト 中村紋子

 電通、ヤマト運輸等、働き方見直しの動きが急速に広まってきている折も折、四月発表の「教員勤務実態調査」(文科省)の内容は衝撃的だった。この調査から、残業時間が過労死ラインの月八十時間を超える先生は中学校で五七・七%、小学校で三三・五%いることが分かったの。これ、国際社会から笑われる事態ヨ!

 労働の中身も問題。よりよい授業をするための研究や、生徒や保護者の悩みを聞くことに時間をかけているんじゃないの。四年前にOECDが実施した調査によれば日本の中学の先生の一週間当たりの勤務時間は参加国中最長。内訳として課外活動(部活ネ)の指導に費やしている時間が他国に比べ突出しているの(日本七・七時間、参加国平均二・一時間)。一方で「指導(授業)に使った時間」や「保護者との連絡や連携に使った時間」は平均より短い。

 既に悲惨な状況なのに、二〇二〇年度の教育改革にともない、英語が小学三年から、プログラミングも小学校から必修になり、道徳の教科化も始まる。そしてそれらの授業時間は、「総合的な学習の時間」や昼休み、朝読書の時間などから捻出せよ、という方向になっているの。教員養成課程で英語の指導法を学んでいない先生たちも教えなければならないのよ。これ以上無理でしょ!

ADVERTISEMENT

 しかも公立学校の教員には残業手当も休日給もナシなのはご存じ?(教職調整額、というのは支給されるけど、雀の涙よ) こんな実態だから教師を志望する学生は減っていて、教員採用試験の倍率が二倍台前半という県も。

 精神疾患で休職している先生は五千人超えの状況が続いている。このままじゃマズイと、教員の時間外労働に上限を設けるためのネット署名が始まりました。実はボクも呼びかけ人の一人。子どもたちのためにも、ぜひ多くの人に協力してほしいわ!