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“スピリチュアル仲間”の本を発見!

 だが、並んでいるのは、『ONE PIECE』『進撃の巨人』『ガラスの仮面』など。近くにあった「ウズ文庫」というノートを開くと、「uzuhouse最高です。いつか好きな人が振り向いてくれますように。17歳学生」。若々しすぎて卒倒しそうになる。

 たしかに、自己啓発本や日本スゴイ本、ハーブを使った健康レシピ本、そして『永遠の0』などもあるにはあるのだが、そこまで顕著な傾向は見られなかった。

2階の図書コーナー。奥にはマンガ本多数。

「うーむ」とうなっていると、ピンとくるタイトルの本があった。『聖なる約束 砂漠は喜び砂漠は花咲き』(きれい・ねっと)。昭恵氏のスピリチュアル仲間ともいわれる、赤塚高仁・舩井勝仁両氏の共著だ。

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 赤塚氏の教育勅語本(『聖なる約束4 ヤマト人への福音 教育勅語という祈り』)は、森友学園問題のときも少し話題になった。どんな本なのか、雰囲気がわかる一節を引用しておこう。「宇宙創造のエネルギーが発露し生きておられる姿。この姿がキリストです。天皇です。聖書を読めば分かります」(189ページ)。

 そんなわけで「これは!」と思って開くと、大当たり、遊び紙に著者ふたりのサインが入っていた。もちろん、宛名は昭恵氏。どうやら献本されたものがここにたどりついたらしい。

赤塚高仁、舩井勝仁『聖なる約束』のサイン部分。

 続いて目次を見ると、「アメリカと日本はローマとユダヤ」「大和とユダヤは手を取り合っていた」と相変わらずの文字列。「やまとこころが開き始めている」などともあるが、UZUの日本酒「やまとのこころ」は、こういうところから名前が取られたのかもしれない。思わぬ伏線を回収してしまった。

おしゃれで国際的な「陽キャ」空間だった

 ただ、これは例外中の例外。世間の噂をよそに、ここは普通のゲストハウスとして定着しているようだった。

 結論。ウズハウスはおしゃれで国際的な「陽キャ」空間だった。なるほど、ドミトリータイプが主流になるのもむべなるかな。

 どうしても政治的な要素がほしいひとは、近くにある、日清講和記念館、藤原義江記念館(軍歌もたくさん吹き込んだテノール歌手の記念館)、大連神社(関東州にあった大連神社の神体・神宝を持ち帰り、再建した神社)、門司港(出征兵士の記念碑などがある)などを訪問すればよろしかろう。きっと“日本を取り戻せる”に違いない。

ウズハウス6階のテラス。向こう側は北九州市。

撮影=辻田真佐憲