昭和・平成・令和と三時代にわたって歌謡界をリードしてきた大ヒットメーカーのひとり、音楽家・作曲家の筒美京平さんが、去る10月7日に亡くなった。享年80。死因は誤えん性肺炎だった。

筒美京平さん ©️共同通信社

 ちょうど、斉藤由貴さんの「卒業」やキョンキョンこと小泉今日子さんの「なんてったってアイドル」をCDで聞き直していた矢先のことでそのシンクロニシティに驚いた。だが、これはシンクロニシティなんてご大層なものではなく、それだけ筒美さんの曲が身近にあり、且つ如何に大ヒットを連発していたかの証に他ならない。

『ドラクエ』の作曲家・すぎやまこういちさんに師事

 筒美さんは昭和15(1940)年、東京生まれ。青山学院大学在学中、ジャズに親しみ、大手レコード会社で音楽ディレクターとして働きながら、作曲活動を開始。なお、ディレクター時代に『ドラゴンクエスト』シリーズ(’86年~)などで有名な、かのすぎやまこういちさんに師事。それはもう名作曲家になりもするでしょう、というところ。

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 筒美さんの訃報に際し、いしだあゆみさんの「ブルー・ライト・ヨコハマ」('68年)や尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」('71年)、そしてジュディ・オングさんの衣裳も忘れられない「魅せられて」('79年)等々の大ヒット曲名が飛び交った。’70年代には南沙織さんや郷ひろみさん、麻丘めぐみさんや太田裕美さん、’80年代には近藤真彦さんや松本伊代さんに先の斉藤由貴さん、小泉今日子さんに少年隊。’90年代には小沢健二さんやNOKKOさん、2000年代にはTOKIOや中川翔子さんの曲も手がけ、なんというか、その時代の“最先端”ぶりには改めて目を見張るものがあった。

『サザエさん』や『パーマン』『怪物くん』の歌も作曲

 だが、それら偉大なる功績は、筆者より適任の有識者の方々が書き綴られるに違いない。なのでここから少々、筆者が子供の頃より慣れ親しんだテレビまんがこと後のテレビアニメーションの主題歌・副主題歌・挿入歌……いわゆる“アニソン”について書かせていただこう。そう、筒美さんは偉大なるアニソンの大ヒットメーカーでもあったのだ。