「そもそも、1メートル以内で会話をするなんて、キスしてもいい人くらいのもの。そうじゃない人がこの距離の範囲に入ってきて話しかけられたら普通は逃げ出しますよ」
ちなみに、図書館のように「喋らないことが前提の場所」であれば、マスクはしなくて構わない、フェイスシールドは目からの感染を防ぐものであって、マスクの代用品ではない――など、街で見かける「やり過ぎ感染対策」は意外に多いとか。
第3条 会食ははす向かいに座る
「居酒屋とフランス料理だったら、フランス料理のほうが感染リスクは低い」
と堀氏。その理由は次の通り。
・居酒屋はテーブルが小さいから向かいの席の人との距離が近いが、フランス料理はテーブルが大きいので距離が取れる
・居酒屋はガヤガヤしているので声が大きくなり、飛沫が飛びやすいが、フランス料理店は静かなのでそのリスクが低い
・居酒屋のメニューは大皿に盛りつけられているので各自で取り分けなければならないが、フランス料理のコースなら最初から個別に出てくる
――など。
しかし、そんな居酒屋でも対面の人とははす向かいに座って、大皿料理は最初に取り分けておく、乾杯はグラスを上げるだけ、そして喋るときは扇子で口元を隠すだけで、感染リスクは大幅に下げられるという。
ちなみに食事中に口元を隠す扇子のことを、堀氏は「飛ばしま扇子」と呼んでいるとか……。
第4条 消毒は指先を念入りに
会社でもホテルでもショッピングセンターでも、今では入り口に必ず置かれている消毒液。あれの使い方を間違えている人が非常に多い、と堀氏は指摘する。
「テレビなどで『指の股の部分が危険です』などと言っているのを聞いて、指の股ばかりゴシゴシ消毒液を塗り込んでいる人がいますが、そんな人に限って指先の消毒をおろそかにしているんです。ウイルスの感染の大半が指先を媒介にしています。指の股をきれいにするのは悪いことではないけれど、それ以上に指先の清潔を重視すべきです」