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「“体内受精”もあるの?」「それはセックスです」…息子の性の質問に、女性弁護士が淡々と答える理由

『これからの男の子たちへ』著者・太田啓子さんインタビュー

2020/11/22

「“体内受精”もあるの?」息子の質問には、淡々と

――本の中で、2人の息子さんには「女らしさ」「男らしさ」を押し付けないように子育てしてきた、と書かれています。今、どのようなお子さんに成長していますか。

太田 今、小学校6年生と3年生ですが、思春期前になんとか最低限仕込んでおきたいと思っていたジェンダーや性暴力のことは伝えてきたつもりです……が、そうはいっても中高生になるこれからが正念場でしょうね。

 特に性教育に関しては、私が離婚してシングルマザーということもあり、女親からいろいろ言われるのもあれかなと思って、マンガや本を置いてます。

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 最近は『おうち性教育はじめます』(KADOKAWA)という本が良かったみたいです。「“体外受精”があるなら“体内受精”もあるの?」と聞かれたので、「それは単にセックスで妊娠することです」と、淡々と理科の実験のように説明しました。性教育は恥ずかしがったらアウトですからね。

 

 そうそう、少し前に長男の友だちが、次男の帽子を隠して泣かせたことがあったんです。そのとき「男のくせに」と言った友だちに対して長男が、「それは男とか関係ないよ」と言い返したらしくて。その友だちはいわゆる男の子らしい男の子で、そんな諌められ方を同級生にされることもあまりないでしょうから、いい経験になったのではないでしょうか。

 その後も変わりなく友情が続いているみたいですが、これから思春期以降、男らしくない男性を、その他の男らしい男たちが仲間はずれにする、みたいなことはままあるだろうと思っています。

 長男は一匹狼のようなキャラではないから、どうやって周りに染まらず乗り切るのか、これからいろんな葛藤が出てくるのでしょう。

 

 でも、今の20代は全然上の年代とは違うと聞きますし、男性だからって経済的に安泰な時代でもない。「男らしさ」にこだわるメリットが本当に希薄になってきている今、若い世代の中には「俺たち、男ってだけで損じゃん」みたいな思いもあるのかもしれないですね。

一見リベラルに見える男性が……

――最近は共働き家庭が多く、家事・育児をしっかりやっている男性も多いですよね。しかし、昨年行われたある調査では、「職場で差別的な女性観を持っている男性の方が、家事を積極的にやる」という、理解に苦しむ結果が出ました(笹川平和財団「新しい男性の役割に関する調査報告書」より)。

太田 それはたぶん、搭載しているOS自体が古いから、どんなに新しいアプリを入れても時々バグる、みたいなことではないでしょうか。コンプラを遵守する男性だって、悪気なく部下の容姿を品評するようなことを言っちゃうように、ふとしたときにアップデートされていないOSのボロが出てしまうんです。