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半数以上が亡くなる日の1ヵ月前までに「お迎え」を体験
上の表2は「お迎え」体験で何を見たか(あるいは遭遇したか)の内容を大まかに示したものです(2011年)。「すでに亡くなっている人物」が圧倒的に多く、「お迎え」があったとした回答の3分の1以上がそれで占められています。誰が現れるかに関しても、すでに亡くなっている父母、祖父母、夫、妻、兄弟、子ども、友人、親戚などが目立っており、1章で紹介した2007年の調査報告と同じような結果が得られました。「お迎え」体験の内容で、次に多かったのが「風景・情景」です。さらに、「存命だが、その場にいなかった人物」がランクされ、そのあとに件数こそ減っていくものの、ペット以外の動物、仏、ペット、光、神……と、続いていきます。
また、「お迎え」体験があった時期とその場所に関しても、2007年調査とほとんど同じような結果が出ました。表3は2011年調査のものです。時期に関しては「数日前~1ヵ月前」が最も高く56%。以下、「1ヵ月前~半年前」21%、「当日・前日」13%、「半年以上前」10%と続いていきます。
自宅で「お迎え」体験をする人が最多
場所に関しては「本人の自宅で体験した」が全体の77%。一般病棟が12%で、残りの11%を「近親者の家」「ホスピス病棟」「福祉施設」で分け合っています。
その時期に関わらず、「お迎え」体験の場所で「本人の家」が圧倒的に多いのは、患者さんと主介護者(家族)との「日常的なコミュニケーション」という要素が大きいと思います。逆に、病棟や施設で「お迎え」体験が少ないのは、回答者である家族との日常的なふれあいの少なさ、さらに医療的に管理された環境などが影響していると考えられます。