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“2週間経過”しないと出席できない?

 こうして、にわかに出現し始めた「2週間前ルール」については、逆のリスクを心配する声もある。「あまり早く帰省すると、暇だからと旧友と飲み歩きかねない。むしろ感染を拡大させる結果にならないか」というのである。

 成人式を巡っては、さらに問題のある事例も散見される。

 新型コロナウイルスに感染した人は、退院後や療養期間後でも、それからさらに2週間経過しなければ式典会場に入場させないとする自治体がある。

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 石川県内の市は「既にそうした基準を設けて開催した自治体があったので、踏襲した」と話す。

 鳥取県内の町は「県の『従業員が新型コロナウイルス感染症にかかった場合の対応』とする文書に同様の記載があり、これに準じた扱いにした」と説明する。

閑散とした羽田空港(12月28日撮影) ©AFLO

政府の基準とのズレが生じている

 これらは主に感染者の多い都市部から帰省する新成人への対策だろう。

 だが、政府の基準によると、退院後もしくは療養期間の終了後は、すぐに社会生活に戻れるとされている。にもかかわらず自治体が催しなどに参加しないよう求める場合、元感染者への差別や人権問題に発展しかねない。鳥取県は「学会の古い見解をもとにした基準がそのままになっていた。早急に見直して、町にも情報提供したい」と話している。

 故郷への帰省は本来、帰る人にとっても、待つ人にとっても心を穏やかにする場だったはずだ。ところが、コロナが関与した途端、人間関係にざらつきが生まれ始めた。都市と田舎の軋轢も深まっている。

 感染の抑制を目指すのは社会として当たり前だが、これに足をとられて、人々の分断やねじれを生むことだけは避けなければならない。