お互い痛みを伴ったわけですが、そこから自分たちのリフレクション(内省)が進みました。この会議によって多くのコーチが自分の指導を見直しました。
支配的なワード
会議を続けていくと、選手への声がけに支配的なワードが目立つことが明らかになりました。こうしろ、ああしろという指示、命令。選手へのダメ出し。否定です。そういったことをしてしまっていることへの気づきとともに、カメラや、マイクをつけ、自分を可視化するプロセスによって何事も「俯瞰で見る」癖をつけることができました。
「どんな指導が効果的か」「どんな言葉がけがいいか」といった方法論以上に「自分の言動に意識的かどうか」の振り返りをする習慣が重要だと感じています。
自分たちの指導をビデオで見ると「そこ、狭いよね」「右!」「シュート!」と、目の前で起きる現象について言葉を発していることにも気づかされました。よくいわれる「リアクション・コーチング」です。
これは恐らく一般企業でも見られるものでしょう。上司が部下に「(仕事の)進み具合が遅くない?」「こんなこともできないの?」と、部下自身もわかっているであろうことをわざわざ言ってしまいます。
互いに問いを投げかけること
「これって、意味があるのかな」
「選手のためになっている?」
コーチ同士で顔を見合わせては、「ノーだね」とため息をつく。そんなことが繰り返されていました。
互いに問いを投げかけ、それに対して各々がリフレクションを行う。それを会議で言葉にすると、コーチ仲間からフィードバックがもらえます。それぞれが自分の考えを整理しながら、課題及び解決法を共有する。そういった学びの場を週に一度、最低2時間、設けていました。