昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

洗剤や柔軟剤の強い香りでごまかすのは危険! 意外と知らない“洗濯物”と“雑菌”の関係性って?

『ナチュラルおせんたく大全』より #1

2021/08/16

洗濯物の汚れをしっかり落とそうとしたら、洗濯機のボタンを押すだけでなく、ちょっとした工夫が必要です――

 そう語るのは全国各地でナチュラルクリーニングの講座を開く本橋ひろえ氏。ここでは同氏が石けん・重曹・過炭酸ナトリウム・クエン酸を駆使した洗濯術を紹介した著書『ナチュラルおせんたく大全』(主婦の友社)の一部を抜粋し、意外と知らない洗濯物汚れについての基礎知識を紹介する。(全2回の1回目/後編を読む)

◆◆◆

そもそも洗濯物についているのは何の汚れ?

おもにこの3 つ!

 

汚れ(1):食べこぼしや襟・袖口の黒ずみなどの色がついた汚れ

汚れ(2):汗や皮脂など繊維にしみこんだ汚れ

汚れ(3):雑菌

目に見えない汚れとの闘いこそが洗濯なのだ

「洗濯物の汚れ」は多種多様ですが、大きく分類すると上の3つです。(1)は衣類に付着した襟や袖口の黒ずみ、食べ物や泥、ホコリなど。目に見えるので、「洗濯したら落ちた」と実感できる数少ない汚れです。(2)は、体の内部から出てくる汚れ、つまり汗や皮脂です。無色透明で目に見えないので、洗い上がった直後に「皮脂が落ちた!」と気づくことはほぼありません。しかも繊維の奥深くまで入りこんでいるので、実は落ちていないことも多いもの。

 これらの汚れが残っていると、発生するのが(3)の雑菌です。とくに体から出た皮脂やたんぱく質の汚れは栄養分が豊富なので、そこから雑菌が繁殖してにおいのもとに。

 私たちが洗濯機で洗っている汚れの多くは、目に見えない。だからやっかいなのです。

写真はイメージです ©iStock.com

洗濯物の汚れの性質を化学の目で見ると 

汚れを化学的に分類すると

 

汚れの9割は酸性。

酸性の汚れはアルカリ性で中和。

だから洗濯用洗剤は弱アルカリ性。

汚れをラクに落とすには酸とアルカリで中和する

 すべての水溶液(物質を水に溶かしたもの)には「液性」があります。酸性からアルカリ性のどこかに位置するのです。

 小学校の理科で実験しましたよね。リトマス試験紙が青く変わればアルカリ性、赤に変われば酸性。アルカリ性と酸性の液体がまじりあうと「中和」して中性。覚えていますか?

 実はこの液性が、掃除や洗濯にはとても重要なのです。酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤を、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤を使うと、中和して汚れが落ちるから。

 汗や皮脂は、時間がたつとすっぱいにおいがしますよね。つまり酸性。食品の汚れも多くは酸性です。尿は酸性ですが、時間がたってアンモニアになるとアルカリ性に変わります。日常の洗濯物の汚れはほぼ酸性と考えていいでしょう。