「ここまできたら5人も10人も一緒だ」という気持ちで10人目を出産
――その後7人のお子様を出産しました。その経緯を教えていただけますか。
HISAKO 仕事復帰をしてから、プライベートで赤ちゃんがいない状況が落ち着かなかったんです。授乳していない自分がなんか寂しくて。この先のやりたいこととか、将来のビジョンを考えると6人目は現実的じゃないなと悩んでいたんですが、一度だけ排卵日にタイミングを合わせてみたら妊娠しました。
それからネジが外れて、7人目、8人目、9人目、10人目と出産しました。望んで産んだくせに3人目までの育児はイライラしてばっかりだったし、子どもがいるせいで自分の時間が取れないことに苛立っていました。
でも、4人目以降は育児に自信もついてきて、子どもがたくさんいる状況の中で自分のできることを最大限やろうと、ポジティブに考えられるようになりました。
――40歳で、10人のお子さんをご出産したんですね。
HISAKO ここまできたら5人も10人も一緒だ。行くとこまで行ってしまえって感じで。
――金銭的にも大変だったと思いますが。
HISAKO だからこそ仕事を頑張っていました。やっぱりそこは親の責任だと思うので、とにかく必死に働いて、子どもがやりたいことはできるだけやらせてあげようと。
でも、無理なものは無理だったので、子どもたちには言っていました。「ごめんやけど、それぞれに個室を作るのは無理やからな」とか「私立の学校は厳しい。国公立で頼むで!」って。いろいろと理解はしてくれていたと思いますが、今考えれば「子どもの気持ち」までは寄り添ってあげられなかったなって。
――「子どもの気持ち」とは?
HISAKO 私は子だくさんを望んでいるけど、子どもたちがどう思うかはまた別の話じゃないですか。本当はもうこれ以上きょうだいを増やさないでほしいって思っていたかもしれないし。
一番上の子が中学生の時に、10番目の子が生まれたんですけど、多感な思春期に歳の離れた弟妹が生まれるということをどんな風に受けとめていたのか、というデリケートな部分のケアが全然できていませんでした。
だからと言って、子どもたちの気持ちを優先して、自分の気持ちを後回しにするっていうのもなんか違うと思いますし。家族みんなの気持ちのバランスを取るところまでの細やかな配慮が欠けていました。