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山川 うちでも一応用意はあるんですけど、もうほとんど稼働はしていません。少なくとも、都内ではここ半年ゼロですね。まず料金が高いですし、あからさまに霊柩車とわかるものは、近隣住民が“不吉”だと嫌がるようです。最近は普通のバンで、一見霊柩車とは全然わからない車を使うケースが多いですね。

宮型霊柩車 ©iStock.com

――今後はレアな車として、価値が出るかもしれない?

山川 車マニアとか、キッチュなもの、レトロなものが好きで使いたい、という人は稀にいるかもしれません。ただ、宮型は木が漆塗りだったりして、メンテナンスが結構大変。車検も高いですし(笑)。うちもカタログに載せてはいますが、外注です。

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焼香中に「となりのトトロ」が鳴り響いたことも

――お葬式中の行動やマナーに関するものの変化は、どうですか。

山川 ここ10年でスマホが普及したのは大きいですね。初めにマナーモードのお願いはするのですが、鳴るケースはゼロではありません。一度、お焼香中に「となりのトトロ」が鳴り響いたことがあって、リズムに乗せられたのか、その後のお焼香スピードが3倍速に(笑)。まあ全員ドン引きでしたけどね。

――スマホといえば、撮影をする人も……?

山川 ああ、珍しくはなくなりましたね。撮影が手軽になった分、棺の中の写真を撮ることにも抵抗がなくなってきている人が多い印象はあります。エンバーミングといって、亡くなった人をきれいにする技術も発達しているので、その姿を記念に撮影したいという向きもあるようです。

――撮影は“あり”なんですね。

山川 喪主やご遺族の人がOKなら問題ないという認識です。その場で了承を得るケースが多いです。

――マナーも時代とともに変わってゆくのでしょうか。

山川 お葬式のあり方は時代によって変わると思っていますが、マナー講師の“思いつき”は迷惑ですね。

――思いつき(笑)。