『すき家』のブラック企業ぶりが次々に明らかに
「この環境改善の取り組みは、2014年に深夜時間の営業を従業員1人に任せる、いわゆる”ワンオペ“などの過酷な労働環境が問題となった後に行われるようになったものです。
当時、すき家では、ワンオペが日常的に行われ、従業員は接客、調理、食器の後片付け、客席・トイレの清掃、さらに仕込みまで全て一人で行っていました。深夜の一人勤務は強盗や食い逃げなどの犯罪のターゲットにもなりやすく、警察庁の調べによると、牛丼店を狙った全国の強盗事件は、2012年に32件、13年に34件発生(未遂を含む)、そのうち、すき家の被害は85%にものぼりました。
こうした『すき家』のブラック企業ぶりが次々に明らかになり、社会問題にまで発展したのです。そこで『すき家』は第三者委員会を設置し、勤務状況の実態を調査した結果、『店舗勤務歴のある社員の大半が24時間連続勤務を経験し、バイトを含めて恒常的に月500時間以上働いている人もいた』など過酷な労働の実態が明らかになりました。
ワンオペ廃止を宣言、人手不足で深夜営業を一時休止
第三者委員会は、その後、深夜のワンオペの廃止などを提言。ゼンショーは同年10月に深夜のワンオペの廃止を宣言しましたが、たちまち人手不足に陥り国内1985店のうち1254店で深夜営業を一時休止する事態に陥りました。
当時の報道でゼンショーの広報室は『深夜(0時~5時)のワンオペは解消した。突発的な原因で1人勤務になった場合、店を閉めるように指導している』と回答するなど、その後ゼンショーはワンオペの解消を進め、現在では先のHPの『職場環境改善への取り組み』に『2014年10月より、安全で安心して働ける環境の確保(防犯体制の強化)を目的として深夜時間帯の複数勤務体制を確立しました。その結果、複数勤務体制が整わない店舗は、一時的に深夜営業を休止しました』と記すに至りました」(同前)
しかし、複数勤務体制を確立したはずの「すき家」で再び、ワンオペによる悲劇は起きてしまった。